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【有声小说】君の膵臓を食べたい(1)

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物语

(1)


クラスメイトであった山内桜良の葬儀は、生前の彼女にはまるで似つかわしくない曇天の日にとり行われた。

 我同班同学山内樱良的告别式,是在一个跟她完全不相配的阴天里举行的。

 

彼女の命の価値の証として、たくさんの人の涙に包まれているのであろうお葬式にも、昨日の夜の通夜にも僕は行かなかった。ずっと、家にいた。

一定有许多人流泪。证明她并没有白活一场的葬礼,以及前一天晚上的守灵仪式,我都没有去。我一直待在家里。

 

幸い、僕に出席を強いるような唯一のクラスメイトはもうこの世からいなくなっていたし、教師やあちらの親御さんに僕を呼ぶ権利も義務もあるはずなく、自分自身の選択を尊重できた。

幸好唯一可能会强迫我出席的同班同学已经不在这个世上了,老师和同学的双亲既没有权利,也没有义务要我去,于是我尊重了自己的选择。



ちろん本来ならだれに呼ばれずとも高校生である僕は学校に行かなくてはならないのだけど、彼女が休日中に死んでくれたおかげて、天気の悪い日に外に出なくてもすんだ。

我是个高中生,当然就算没人叫我,我本来就不得不去学校。但多亏她死在假日,我得以不用在天气不好的时候出门。


共働きの両親を見送って適当な昼食をとってから、僕はずっと自室にこもった。それがクラスメイトを失った寂しさや空しさからきた行動かと言えば、違う。

我父母都要工作,送走他们以后我随便吃了点早餐,就一直窝在自己房间里。要说此举是因为失去了同班同学而感到寂寞空虚,却并非如此。

 

僕はクラスメイトであった彼女に連れ出されない限りは、以前から休日を自分の部屋で過ごす性分だった。

只要不被这位女同学叫出去,我从以前就喜欢在假日时窝在自己的房间。

 

部屋で僕は大抵の時間、本を読んでいる。指南書や自己啓発本は好まず、小説をすすんで読む。ベッドの上に転がって、白い枕に頭や顎を預けて、文庫本を読む。ハードカバーは重いから、文庫本の方がいい。

在房间大部分的时间都在看书。我不喜欢实用指南和自我启发类的书籍,只一个劲儿地看小说。我倒在床上,脑袋或下巴抵着白色的枕头,阅读文库本。精装本太重了,文库本比较好。

 

現在読んでいる本は、彼女から以前借りたものだ。本を読まない彼女が人生で唯一出会った至高の一冊。借りてからずっと本棚に積んであって、彼女が死ぬ前には読んで返そうと思っていたのに、それも間に合わなかった。

正在看的书是以前跟她借的。这是不看书的她这辈子接触到最棒的一本书。我借来之后一直放在书架上,本来想着要在她死前看完还给她,却没来得及。


著作  「君の膵臓を食べたい」から抜き出し  

著者 住野よる

图片来源|百度  (本音频由日语主播 阿雅 提供)


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