乗り物好きから見た広州香港交通事情

　日本のニュースではあまり取り上げていないが、ここ数日香港では抗議者と警察との間で頻繁に衝突が発生しており、各地で抗議者による打ち壊しや放火なども行われ、予断が許されない状況になってきている。

  最近MTR東鉄線は不安定なダイヤとなっている

　日本の外務省が発表する香港の危険レベルは1だが、頻繁に流れてくるネット情報を見る限り、推測だがよほどの用事がない限り行かないほうがいい状況に達している。

　それでも仕事で香港に行く方や香港経由で海外に向かう方たち向けに無事に香港に辿り着く方法をご紹介。

　トラブルに巻き込まれないため、偶然現場に遭遇してもくれぐれも軽い気持ちで写真は撮らないように！

■鉄道…今回の衝突で一番影響を受けやすい交通手段は鉄道だ。特に広州東駅と九龍の紅磡（ホンハム）駅を結ぶ城際直通車は、抗議者たちから抗議を受けやすいMTR東鉄線を通るため、11月12日と13日、14日は全部運休になってしまった。北京や上海から来る紅磡行き直通列車も運休により広州東駅で運行を取消している。

直通車Kttと香港行き高鉄

　直通車が使えないときどうすればいいか、それはもう高速鉄道で移動するしかない。広州南駅から香港西九龍駅まで走る高速列車の1日の片道運行本数は34本。幸い香港西九龍駅は紅磡駅より安全だ。

　もし、香港西九龍行きの切符が売り切れていても、例えば深圳北/福田からも香港西九龍駅行きの列車がかなりの本数で発着しているため、乗り換えが大変だが深圳北/福田まで行き、そこから香港西急九龍行きの列車に乗る方法もある。同駅からMTR西鉄線の柯士甸（オースティン）駅や機場快線/東涌線の九龍駅がすごく近いため、同駅から九龍半島や香港島に行くことは可能だ。

香港西九龍駅周囲地図

　もちろん、状況にもよるが過去には九龍駅を停車せず通過したことがあるため、その時はタクシー移動しかないが、直通車の中に何時間も閉じ込められるよりはマシだと思う。

　広州東駅から和諧号に乗って深圳駅まで行き、そこから徒歩で香港の羅湖イミグレを抜けようとしてもMTR東鉄線が運休してしまうと同イミグレも閉まってしまうので油断は禁物だ。

　一方、香港内を走る鉄道のMTR運行情報は下記のサイトでチェックしておこう。東鉄線や西鉄線、馬鞍山線、荃湾線、観塘線、将軍澳線あたりは地域が不安定なのでできるだけそこには近づかないようにしよう。

■バス…広州と空港を含む各地を結ぶ越境バス。天河区なら正佳広場西口から、越秀区なら花園ホテル西門から香港行き越境バスが出ている。香港国際空港行きは深圳湾か皇崗のイミグレで別の車両に乗り換える。空港に向かう道路が封鎖されない限り運行はしている。なお、広州に戻る際、香港側の乗り場がある太子（プリンスエドワード）は情勢が不安定な場所にあるため、ここ自体お薦めしない。

正佳広場西門から出ている越境バス。空港方面はイミグレでミニバンに乗り換える

　越境バスを取り扱う中旅巴士は、最近交通管制によりサービスを取り止めているルートもあると発表している。利用する際もチケット販売窓口や各バス会社のHPで確認をとったほうがいい。　

■フェリー…九龍半島方面は読めないが、香港空港行きなら時間はかかるが移動手段としてこれを使う手もある。番禺の蓮花山港や南沙の南沙港から出港している。フェリー情報は以下のサイトを参考。

■飛行機

それなりの価格はするが、広州白雲国際空港→香港国際空港→各地へ行くなら最速の手段。空港が閉鎖されない限り飛んでくれるし、片道1時間で着くのもグッド。ただし、トランジットだと香港国際空港で数時間待たされることがあるのでそこは状況と相談しよう。

■安住ハイヤー

最後に、香港までの移動は安住ハイヤーでも対応できる。価格は要相談と1日以上前の予約が必要になるのでお早めに。

写真はセダンだが、香港方面はミニバンのアルファードになる