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【それいけB級グルメ探訪隊】③22世紀に追いつきました、全自動レストランに行ってみた【FOODOM机器人中餐庁(花城匯店)】

安住生活 2020-10-15

APM線婦児中心駅から地下1階の花城匯中B区に進むと見えてくる全自動レストラン


 昔むかし鑑賞したドラえもんの大長編映画の中で、ドラえもんの4次元ポケットからキャンプセットみたいな道具が出てきて、好きなメニューが食べられるシーンを何度か観てきたことがある。22世紀になるとこんな面白い機械が出てくるのか…と思いながら数十年過ごしていたら、日本のお隣の中国広州で面白いレストランが出来たという噂を聞きつけた。今年の1月に珠江新城の地下フードコート・花城匯にオープンした「FOODOM机器人中餐庁」で、注文から料理が出てくる工程をすべてロボットが行なってくれるのであった。

 

◎コロナを乗り越えて頑張って営業をしていた


 20数年前、中国を旅行したとき中国の友人に「中国にはなんで自動販売機がないの?」と聞いたところ、「自動販売機が流行り始めたら売店の人は全部失業してしまうよ」という冗談のような返事が返ってきたが、最近中国でも人件費の高騰を抑制するために、例えば自動車完成工場などでは数年前から一部のラインでは作業用ロボットを取入れて作業の効率化とミスの防止を行なってきている。

 今では世界中で、AI(人工知能)の研究も進み、「一部の職業はやがてロボットに取って代わられる」、なんてロボット脅威論も出てきているが、すでに自動化に向けて舵を切っているこのご時世、ありとあらゆるものがAI化、自動化に伴いどんどん便利な世の中になってきているというのが実感だ。

 そんななか、今年の1月13日に珠江新城の地下レストラン街の花城匯にてFOODOM机器人中餐庁(花城匯店)がオープンした。コロナが中国で蔓延する直前だったので、実際に店舗に行くまで潰れていないか心配だったが(大衆点評には載っていたが当てにならない)、普段どおり営業していたのでちょっとうれしかった。


ハンバーガーを作るロボットやカクテルを作ってくれるロボットが置かれている

 

 入口には科学館のパビリオン辺りに登場しそうなデザインの数体のロボット人形が置かれ、入口の右隣には実演向けなのかハンバーガーロボット、スイーツロボット、フライドロボットの3体が置かれている。残念ながら、今回は注文していないのでこの3体の動きを見ていないが、オープン当初なら盛大に賑わっていたと思う。流石に受付は人の形をしたアンドロイドではなくれっきとした生身の人間だった。


レストラン内は一部は工場のような剥き出しの配管が見えるガラス張りだが、一部では有名シェフが載っているパネルがある。ロボットはこれらシェフの腕前をAIで覚えさせて調理しているのだろう

 

 今年1月14日付けの中国新聞網によると、このレストランは、碧桂園グループが出資して設立した千玺机器人餐飲グループである。料理を作ったり運んだりするロボットが46台配置され、順徳料理など32種類の料理を作くれる。

 レストランの壁には、有名人シェフらしき写真がデカデカと載っているが、このレストランではこれらのシェフの腕をデーター、プログラム化してロボットに組み込み料理に反映しているのだろう。

 

◎注文から受け取りまですべて自動化


店内で天井から壁、床といたるところでロボットが自走していた


 流石にお茶こそスタッフが持って来てくれたものの、主役はやはりロボット。レストランの厨房は可視化されており、料理を作るロボットや注文商品を運ぶロボット、出来上がった料理を上からクレーンで自分の座っているテーブルまで降ろしてくれるロボットなどが活躍している。そりゃ46台ものロボットが活躍しているから目立つわな。それでも食事中、4名ホールスタッフに1名のメンテ用スタッフを見た。裏方だとまだまだスタッフはいると思われる。食器洗いも乾燥全自動なのか。


 

各テーブルにあるQRコードを読み込むと同店のミニプログラムが立ち上がり、料理を注文できる。注文が決まると微信支付で前払いする


 注文は、テーブルに貼ってあるQRコードをスマホから微信などで読取りスキャンすると、「FOODOM机器人中餐庁」の公式アカウントが立ちあがり、それをフォローすると注文ができる。今回はオーソドックスな広東料理(泡椒牛肉煲仔飯18元と広式腊味煲仔飯18元)をそれぞれ1皿と野菜(白玉西蘭花28元)1皿、それに牛乳プリン(伝統大良双皮奶18元)2個注文。お茶代を払わないと注文が完了できないので、追加した。その場で精算することで注文が完了する。


注文してすぐ牛乳プリンが自動配膳機に乗ってやって来た

 

 注文して5分も立たないうちに、配膳ロボットが牛乳プリンを持ってやって来た。床に埋められた光の線を感知しながら移動し、注文テーブルまで来たら止まる。テーブルの上にある「摁下」(日本語で降ろす意味)ボタンを押すとトレーの蓋が自動で開き、料理を手に取ったあと同じボタンを押すとトレーが自動的に閉まり、自動的に去っていく。

 そしてまた5分後、今度は天井からトレーに載ったブロッコリーがぶら下がって降りてきた。こちらもボタンを押すとお皿の載ったトレー上のカバーが開き、取出してボタンを押すと再び上昇して隅っこに消えていった。


突然上からクレーンで降りてきたブロッコリーの炒めもの

 

 そして、メインのご飯物を待って30分…まだ来ない…35分…まだ来ない…そして空腹も限界に達した40分後にご飯物を載せた配膳ロボットがやって来た。器は熱くなかったが、料理はきちんと加熱してあり、なかなかの味。普通の中華を美味しくいただけた。


伝統大良双皮奶は美味しいけどご飯物と価格が同じ


白玉西蘭花はバターとスライスにんにくで炒めている


泡椒牛肉煲仔飯はおこげが美味しい


広式腊味煲仔飯もおこげが美味しかった


 それにしても「なんでご飯物だけここまで時間がかかるんだろう」とよくよく考えた。もしかすると料理ごとにお米を炊いて、あとからカットした具材を入れて蒸しているのか…と、勝手ながらそういう結論に達した。そうならばここまで時間がかかるのは納得がいくし、それこそ丁寧に作り込まれていると逆に感心する。自動化のいいことは、プログラムにミスがなければヒューマンエラーが起こしにくくなるので、作業も効率化するし味にブレもない。人間が作るとこうは上手くいくまい。

 ただし、急いでいる方にはこのレストランはお薦めできない。すぐ食べられる快餐の方が幸せというもの。

 

◎何かが物足りない、あと一つ欲しい意外性


料理を作ってくれるロボットだが、以前見たことがある風景と被るため特別新鮮味があるわけではない。プラスαの要素が必要


 お腹もいっぱいになったことだし、店の外に出た。しかし何か物足りない感じが続いた。料理の味ではないし量でもない。よくよく考えてみたら、店内内装の物足りなさに気が付いた。

 一流シェフの料理の再現を売りにしているから、料理の味が美味しいのは当たり前、天井や自動配膳機が料理を届けてくれるのも決して特別という感じではなく、すでに既視感ありありのベタな内容なのだ。

 

 そう、これらの動きは例えば見学できるビール工場での瓶詰めやラベル貼り、梱包と言ったすでにオートメーション化されているものをレストランに持ってきただけ。ガラス張り内装の奥に見える剥き出しの配管やロボットの作業工程なども、工場や未来のパビリオン館で見た内容そのままなので、次は異性を誘って行きたい場所か?となればそうは思わない。

 

 未来志向のコンセプトでウケを狙ったのかもしれないが、イメージを工場に置き換えれば「なーんだ」で終わってしまう。1月に出店したにも関わらず食にうるさい広州市民の間でここまで話題にあがらないのも、子供の時から見てきた「未来のテーマ」の延長線に過ぎず、新鮮味に感じられないのかもしれない。

 あとカクテルを作ってくれるロボットがいるバーエリアもあるが、お店の営業時間が20時30分までと早めに終わってしまうので、これからここで飲んで帰るかという気持ちが起きない。

 

 どうしたらもっとゲストがやって来てくれるんだろう?大事なことは意外性だ。思い切って人間型アンドロイドを置いてみる、内装も工場風ではなく豪華なレストラン風に仕立ててみる、料理のレパートリーも増やしてみるなどなど、思い切った舵取りが必要なのではないか。


 ロボットの今後の可能性を見せてくれたレストランでも、集客を伸ばすにはゲストを喜ばせるさらなる意外性が必要なのだと、改めて商売の難しさを感じとったランチタイムであった。


FOODOM机器人中餐庁(花城匯店)データ


住所:広州市天河区珠江新城花城大道89号花城匯B1F中B区(地下鉄APM線婦児中心駅から南に180m)

営業:11:00〜20:30


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