手のひら決済でアリペイが追撃、微信より先進的?
中国の電子決済市場で競争を続けるアリペイと微信支付。新たな無感覚決済のアプローチである「手のひら決済」で先手を打ったのは微信支付だった。しかし、アリペイも追撃の準備は万端のようだ。このほど支付宝(杭州)信息技術が手のひら決済に関する一連の特許を申請中であることを明らかにした。
◆アリペイの追撃
微信公衆号「熊猫人運営社」等が27日付けで伝えたところによると、アリペイが準備を進めている手のひら決済には以下の内容が含まれるという。
●決済デバイスがユーザーの手のひら情報を読み取ると、本人のものであるか確認を行う権限がユーザー自身のデバイスに送信される。
●ユーザーは自身のデバイスのバックカメラで取得した手のひら情報にもとづいてその照合を行う。
この技術は、スマートフォン、タブレットPC、電子書籍リーダー、VRをベースとした情報交換デバイス、車載端末など、幅広いジャンルのデバイスで応用が可能だという。将来的に、ユーザーはアリペイに対応するいかなるデバイスでも手のひら決済の利用ができるようになる。
◆既存デバイスで利用可
手のひら決済で先手を打ったのは微信支付のほうだったが、導入するには新たなデバイスを追加して運用する必要があるため敷居が高い。その点、アリペイの手のひら決済は既存のデバイスを活用しながら実現できるという。導入実績さえできれば後は速やかな普及が期待できそうだ。また、技術的にも微信支付より一日の長があるとされる。
とはいえ、果たして決済にあたって精度と安全性が確保されるのかどうかについては疑問視する声もある。ちなみに微信支付では、掌紋に掌静脈の情報を加えたうえで識別を行う技術が採用されている。そのうち広角光学カメラで掌紋の特徴を、赤外線カメラで掌静脈の血管分布の特徴をそれぞれ識別し、2つの要素で認証が行われたうえで決済が完了すると見られる。